第一回透析合併症予防カンファレンスのご報告

~第一回透析合併症予防カンファレンスのご報告~

 

先日、都内で「第一回透析合併症予防カンファレンス」が開催されました。

東海大学八王子病院腎内分泌代謝内科教授角田先生より「高リン血症治療の考え方」の特別講演がありました。また、リンのコントロールには透析条件や内服薬の調節も重要ですが、なんといっても患者さん自身の食生活習慣が大事です。2013年に慢性腎臓病生活・食事療法マニュアルが発行され、食事量療法が注目されております。自治医科大学付属さいたま医療センター栄養室長茂木 さつき先生より「栄養士から診た透析患者の栄養管理」の発表がありました。カルシウム、リンなどのミネラル代謝異常は,骨や副甲状腺の異常のみならず,血管の石灰化等を介して,生命予後に大きな影響を与えるというCKD-MBDの概念が2005年ごろより提唱され始めました。高リン血症は生命予後が悪いことが明らかになり、わが国のガイドラインでもP>Ca>PTHの順に優先してコントロールをと明記されています。リンは血管中膜の平滑筋細胞の骨芽細胞への形質転換などにより動脈硬化に関与し、また、FGF-23の産生を促進し左室肥大などにも影響を及ぼすようです。この度、ピートルという力価の高い新規のリン降下薬も使用可能となりました。多くの患者さんが目標値リン 6.0mg/dl以下を達成できるようお手伝いできれは幸いです。